以前から「行ってみたい!」と思っていた、錫杖岳の「見張り塔からずっと」!
ここにきてようやくsiさんの「行ってみよう」リストに登場(*'▽'*)♪
ベストシーズンの秋かな?と考えて、その日を楽しみにしていたのですが…
またも突然の「行くぞ!」が発令!!
今年は雪が少ないとはいえ、まだ残雪期。
ふたりとも初めてのロングルートで、山頂に立ったこともなければ下山道も歩いたことない。
小心者のtamaは、不安いっぱいですΣ(゚д゚lll)
「秋がいいんじゃない?」「せめて登攀記録のある7月以降にしない?」と、何度か抵抗しました。
が!いつもの「大丈夫だよーーー♪」に押し切られて、結局は行くことに同意(笑)
雨あがりの土曜日は、ゆっくり移動で15時頃に駐車場を出発。
車泊で夜中出発と迷ったけど、錫杖沢テントで焚き火の誘惑には逆らえず♪
ただ、湿った枝がなかなか燃えず、待ちきれずにガスでご飯作りながらの火おこしでしたが(;^ω^)
日曜日の夜明けと共に、いざスタート(*'▽'*)♪
1P目(トポの1P目―2P目?)
注文の多い料理店取付きの少し奥、雪渓を登ってチョークストーンが見えるところからスタート(*'▽'*)♪
雪渓がまだかなり残っていたので、少し高い位置から取付いて、ハーケンの残置支点まで50mくらい。
草付に出るまでは錫杖沢北沢の右岸側壁とまたに流心を絡めて登っていく感じで、易しい岩場を適当に登っていきました(*'▽'*)♪
2P目(トポの3P目)
少し斜度のある左フェースを上がってガレ場に出て、斜度の緩い滝を右上するとゴルジェ上へ。約35m。
ゴルジェ基部の小クラックへカムで支点。
3P目(トポの4-5P目?)
ゴルジェの側壁の残置ハーケンもある易しい凹部を登り、上のスラブで右に折り返しました。
カムで支点が取れるとこなく55m。
その後しばらくは、コンテで北沢を進みました。
4P目
烏帽子岩が近づいて来たら壁が立ってきたので、再度ビレイして岩部とその上の急な笹薮を上がり、錫杖稜線の岩基部を左にトラバースして55m。
後から考えると、このポイントから左側に支流附近を登ると、私達の5P目くらいに出れそう?
5P目
更に奥まで笹薮と小尾根が見えており、どこまでトラバースするのかよくわからない…
笹薮も滑ると危ない斜面なので、ビレイをして進みました。
基部岩や小灌木に支点を取りながら20m程笹薮をクライムダウンし、40m程トラバースして小尾根基部の灌木でビレイ。
6P目
まだ笹薮が続き、目標の大洞窟の上部取付きも見えません。
見通しを確認するために小尾根間のルンゼを上がると、 次の小尾根に赤テープの灌木を発見!
やっと大洞窟が見えて、次のルンゼに降りていくといいことが分かり、ホッとひと安心(*'▽'*)♪。55m。
7P目
歩いても降りれそうですが、目標から先が急に落ちんでいる感じなので、安全のためにロープ半分で灌木から懸垂。30mピッタリ!
降りたところで更に観察すると、降りてきた小尾根の基部に踏み跡を発見!
4P目から見ると、4-5をひとつに、6-7をひとつにできたかも?
まだ雪渓が多く残り、アイゼン着脱等の煩雑さも出た可能性があるので、どちらが正解だったかは微妙。
8P目
トポでは『2級程度の歩きで大洞窟へ』となっていますが、まだ雪渓が残り、部分的に側壁を絡めて登る必要があるのでビレイして進みました。約50m。
9P目
8P目の続きで、大洞窟基部まで更に40m。
10P目
さあ、ここからが核心!大洞窟の左の垂直クラック!!
近づいて見ると、5.8のグレーディングにしては威圧感が半端ないΣ(゚д゚lll)
登ってみたら納得か?と、気持ちを奮い立たせて取付くと、、、まあ大変!
上部スラブからの雪渓の雪解け水がクラック内を流れていてビショビショ。
しかも、水苔がついてヌメヌメ滑り、全く保持できませんΣ(゚д゚lll)
思わずカムでA0をして乗り込み、その後も滑って怖いのでカムを打ちまくる!
当然の結果?途中でカムが足りなくなり、途中の灌木で切ることにして約15m。
フォローのtamaでさえ怯む程の、素晴らしいヌメりっぷりでした…
丁度いい幅のジャミングですら、止まれる気がしませんでしたo(TヘTo)
11P目
灌木から更にに続くハンドサイズのクラックから始り、上部フェース基部の凹角まで岩場を30m。
ここは乾いていたので、少し安心して楽しめました(*'▽'*)♪
やや死角だったのと、ハンギングビレイで余裕がなかったので、リードの写真はなし。
12P目
立った凹角を直上して、右にトラバースして左へ折り返すルート。
最初の凹角は水が滴り、トラバース部から折り返して上部に抜けるところは滝のよう。
下のクラックと同じように、水コケでヌルヌルしていることは一目瞭然!
どこかに小カムが入るようなところが無ければ、ランナアウトするラインに見えます。
下からは何も見えず、プレッシャーを受けての登攀開始Σ(゚д゚lll)
最初の垂直な直上凹角は、ヌルヌルするもののカムも使え、快適じゃないけどスムーズに。
さて、トラバース。
やばいです!持つところすべてがヌルヌルで、心が嫌がります。
ほんの少し下がり気味にスタートして、ヌルヌルの中にカムが入ることを発見!
甘いけど、効いてくれれば落ちた時に凹角への激突を避けれそうです。
カムを信じて右上気味にトラバースすると、またカムが打てて更にトラバース。
フレーク状に飛び出した小岩にスリングをかけて支点に。
その先は斜面が寝て段々状になるので、安心かと思ったら大間違い!(笑)
今度は左へトラバース。段々状のところで手がかりを探すが、もうヌルヌルのヌルヌル。
持っても下に押してもヌルヌルで、テンション&テンションΣ(゚д゚lll)!
仕方ないのでルートを外して、泥と草のところを横向きの岩にスリングを巻き、今にも外れそうと思いながらも信じて登りきると上部スラブへ。
本来はここでビレイして約25mだが、抜け口が違ったので2級スラブを上部壁基部までまっすぐ延ばして55m。
13P目
上部壁基部をトラバースして、頂上方向へ続く草付ルンゼを登ります。
ビレイ点からの眺めが素敵なでした(*'▽'*)♪
60mロープピッタリで、途中の小灌木でビレイ。
14P目
続けて草付ルンゼを直上して、途中で右上して頂上下のクラックへ。30m。
15P目
頂上へ抜けるクラック。ここは乾いてた!!!嬉しい(*'▽'*)♪
さっきの5.8の緊張感からすると、ここの5.7はまるで2級のように感じます!
気持ちよく上がって、頂上へ。
夕暮れになってしまい時間に余裕はありませんが、記念撮影\(^^@)/
いやあ、とにかく抜けられて良かった!!
洞窟ではビバーグになるか、残置&懸垂を繰り返しての敗退になるかと覚悟しました。
帰路へと向かう途中、有名な山頂のピッケルも発見(*'▽'*)v!!
これで心置きなく帰れます!…が、ここからがまた戦いとなることは未だ知らず。
徐々に暗くなるので先を急ぐ為、この先は写真はありません。
はじめは踏み跡も比較的明瞭で、テープも随所にあって解りやすかったのですが…
おや?道もテープも見えなくなったな?というところで、適当だと思われる雪渓を下りました。
暗くなってきたので、安定しているうちにヘッデンも装着!
最初の雪渓を下り、2つ目の雪渓を下り、笹薮でアイゼンを外してすぐに小ルンゼに出ました。
このルンゼが正しい下山道だったようなのですが、この頃には疑心暗鬼に陥っていた私達(^。^;)
しばらくして右の大岩がある際を降りていくと、小滝があったので念のため懸垂。
少し下ったところで、大滝が出現!
後で調べたところ、この大滝に付いた巻道を下ると、その先は大きな滝もなく、小巻き程度で普通に下れたようですが…
事前にそこまで細かい情報を調べておらず、暗くて巻道に気づかなかった私達。
すでに道を外しているかもと疑っていたことと、高度と方向からみて大きく道は外していないと判断したことから、適当と思われる方向に猛烈なトラバースを開始!
笹薮を掻き分け、雪渓を下り、更に笹薮を掻き分けて進むことどれくらい?
ようやく見知った前衛壁の取り付きに出ましたヽ(*'▽'*)ノ
あとは慣れた道なので、ひと安心です!良かった!!
テントを畳んで車に戻れたのは、とうに日が変わってから…(´Д`;)
そんな、とんでもなく長い1日となってしまいましたが、とにかく無事帰還!
反省はいっぱいですが、充実した楽しくて素敵なルートでした(*'▽'*)♥
でも…今度はもっと適切な時期に登りたいなぁ(笑)